山行記録

憧れの「最後の秘境 雲ノ平」

shakujii

2022年9月8日(木)~11日(日) メンバー:8人 記=Y.M 写真=N.N

【コースタイム】

  • 9/ 8 折立(10:20)→三角点(12:45)→太郎平小屋(15:55)
  • 9/10 太郎平小屋(5:20)→北ノ俣岳(7:35)→赤木岳(8:20)→中俣乗越(9:30)→黒部五郎の肩(休憩)(13:00)→黒部五郎小舎(14:55)
  • 9/11 黒部五郎小舎(5:10)→三俣蓮華岳(7:40)→三俣山荘(8:50)→日本庭園(11:30)→雲ノ平山荘(13:30)
  • 9/12 雲ノ平山荘(3:45)→アラスカ庭園(4:40)→薬師沢小屋(7:35)→太郎平小屋(10:55)→折立(14:45)

 会山行のお知らせを頂いた際には「えっつ!!!もしかして行けるかもしれない?」と心躍りました。先着8名に入れるかどうかもわからない・・。最終日の10時間歩行にもここ数か月の山行は少なく正直自信はありませんでしたが「まずは申し込みしてみる。」ことに。お陰様で参加条件の「PCR検査」もクリアし参加させていただくことが出来ました。

 初日9/8(木)いつか来たいと思っていた「熊が出る」と聞いていた折立からスタート。歩き出しは心配していたお天気も曇りでレインスーツを切る必要がなくみんなひと安心。そして予定通りの急登、ただ歩きやすい道で助かりました。途中予報通りの雨が降りだし雷も進路方向で鳴り始め一人一人の距離を2mほど取りながら前進・・雨足も強まるので気分は下がり気味です。しかしながらそんな気象条件の中での山行も貴重な体験だなと思いました。

折立の登山口

 諦めずに前進していると雨も弱まり周りの山々の眺望も少しずつ見え始め何とか1日目の宿泊地「太郎平小屋」に到着でき安心しました。到着直後にまたザーザー降りの雨で胸をなでおろしました。小屋主と思われる方にも温かく迎え入れていただき折立からの少し厳しかった道のりも忘れることが出来ました。

木の階段が太郎平小屋へと延々と続く。雷も鳴っている

2日目 9/9(金) 5:15天候調整のうえスタート。実は夜中「無理でしょ!!!。自分は雲の平に行かないで皆が戻ってくるのをこの小屋で待ってようかな」と考えるくらいの激しい雨音と風に起こされました。歩き始めは雨もなく順調でしたが小屋がまだ見えるくらいの距離から再び雨。途中風に綿毛が揺れる「チングルマ」、「池塘」に励まされながら。お天気が良くないおかげで「雷鳥」にも会えました。雨は降ったり止んだりを繰り返しながら目指す「黒部五郎岳」へ。登頂時には少しだけ晴れ間そして分岐への戻る途中では今まで歩いてきた道のりの方向に「虹」を見ることも。

2日目は雨の中のスタートとなった

 そこからは何となく聞いていた宿泊予定の「黒部五郎小舎」が見えてからが本当に長かったです。何度となくテレビで見た黒部五郎岳の「カール」。段差や名前の由来のとおりのゴロゴロとした岩石で歩行スピードは上がらずなかなか小舎にたどり着くことが出来ないでいると雨、容赦ない本降りの雨。結構気持ちもめげてきたところでようやく黒部五郎岳の山頂付近で見えていた赤い屋根の小舎に到着できました。本当にみんなずぶ濡れになりながら皆よく歩き切りました。

縦走最初のピーク、北ノ俣岳
すっかり秋の装いのチングルマ
黒部五郎カールで休憩。周りは奇岩だらけ

3日目9/10(土)5:00 スタート。 ようやくお天気にも恵まれ黒部五郎岳のモルゲンロートの応援を受けながら「三俣蓮華岳」へ。昨日までのお天気は何だったのかと思うくらいに朝日と青空に映える笠ヶ岳、薬師岳などの山々。次に目指したピークの「三俣蓮華岳」からは360度の眺望で少し厳しめの2日間を歩き切った私たちを凛とした槍・穂高連峰が出迎えてくれました。

三俣蓮華岳から槍ヶ岳を臨む

 感謝と感動です。三俣山荘からは予定した「鷲羽・ワリモ岳」は巻いて「黒部源流」のほうから「雲の平」へ。少しザレた急登を今度は鷲羽・ワリモ岳、黒部五郎、三俣山荘にそして可愛いお花たちに励まされながら歩きました。

やっと三俣山荘が見えてきた
黒部源流の碑の前で
雲ノ平への急登
メルヘンチックな雲ノ平山荘はもうすぐ!

 ようやく雲の平の「日本庭園」が迎え入れてくれました。雲の平山荘が見えてからも本当に長い長い道のりで計画書などで分かってはいたものの実際に歩く道は違うことを実感しました。また「雲の平の木道ではだいたい月に1度くらいは同じところで転倒して腕を骨折してヘリ搬送される」と知人からは聞いていたので少しビクビクしながらの歩行でした。ようやく着いた雲の平山荘には感動です。ただ寝床として与えられた場所が3階の奥で毎回の上り下りが何といっても膝にきつく息切れがしました。嬉しいことにこの日は「中秋の名月」でしたので山荘からのお月様にみんなで感動です。

最終日 9/11(日)いろいろあり少し早めに準備もできたので3:45スタート。

中秋の名月を愛でながら雲ノ平山荘を出発

 中秋の名月と木星に応援していただきながら「薬師沢小屋」方面の木道に。アラスカ庭園は残念ながらよくわからないままでしたが、木道が終わると今度は苔の多い岩石とぬかるんだ道。緊張感は続きましたが、みんなでケガもなくようやく立ち寄りの「薬師沢小屋」に。薬師沢小屋の風景は本当に沢にかかる橋などよく見る写真の通り秘境感があってまたまた素敵でした。

美しいロケーションの中に建つ薬師沢小屋。左の沢を遡行すれば赤木沢にぶつかる

 さらに、貴重なことにヘリの荷揚げにも遭遇。台風のような強風を体感する機会に恵まれました。自宅に戻り気が付いたのですが「ヘリの荷揚げ」を頑張って対応していたお姉さんは「黒部源流山小屋暮らし」「蝸牛登山画帖」を書かれた「やまとけいこさん」だったと気づきました。あまりの迫力で結びつかなかったのですが素敵なさわやかなお姉さんでした。そしてお天気に恵まれ暑くなった中を「太郎平小屋」に向けてみんなで頑張って前進。個人的にはここが靴の中の足が痛くつらかったです。

ヘリの荷揚げの準備に忙しい薬師沢小屋のスタッフ

 ようやく太郎平小屋に戻ってきました。初日見る風景と晴天の中の風景が違って見えたのは私だけでしょうか。少しだけ休憩し帰りの「温泉立ち寄り」ができるようにまた前進。初日に見ることが出来なかった「有峰湖」なども見えたりやはり眺望のよい中での登山はいいな~と思いました。ようやく「折立」の登山口に戻ることが出来たときは本当にうれしかったです。ケガもなくみんなで下山できたことには感謝の一言です。

一周して戻ってきた太郎平小屋

 リーダーのNさん、サブリーダーのMさん、宿の手配や企画など本当にありがとうございました。下山報告をお引き受け頂きましたリーダー部の皆様、またご一緒させていただきました皆様、本当に本当に貴重な4日間をありがとうございました。それぞれがいろいろな思いの中でこの山行に挑まれたのだと思います。私自身も今回の反省点や気づきを大切に、これからの山行につなげて精進したいと思います。来年は薬師岳に挑み帰りに「太郎ラーメンを食べに来よう」と心に決めました。本当にありがとうございました。(かたくり145号より

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石神井山の会
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山岳会
練馬区石神井公園を拠点に活動する山岳会です。安全で楽しい登山を目指し、ハイキングから縦走、クライミング、沢登りなど、オールラウンドの山の会です
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